news20210107
2021年1月~7月のニュース
- LNG火力発電所、運転中止
- ヤンゴン市、計画停電を開始
- クーデター後、電力供給混乱
- 国軍政府、1兆7000憶チャットの軍予算を発表
- 欧米企業、 相次いでミャンマーから撤退
- 中古車価格の上昇
- 自動車輸入制限
- ミャンマーのG・D・P 、100%以上増加?
- 中国、ミャンマーの開発計画21件に600万ドル支援
- コロナ予防薬の国内生産を強化
- ミャンマー中国商工会議所、低額コロナワクチンを提供
- 中緬新通路、開通
- オーストラリアの鉱山会社、ミャンマーから撤退
- クーデターによる失業者100万人以上
- 銀行の外国人雇用を規制
- クーデター後、多くの工場が閉鎖
- 中央銀行指示により、経済が混乱
- カナダ企業、国軍とのロビー活動契約から撤退
- 国軍に技術を提供している技術系企業
- インターネットを巡る国軍と民主化勢力との戦い
- 世銀、「ミャンマーの雇用数100万件減少、貧困層が倍増」
- ミャンマー、世界の最貧困国23国に。
- 軍関係者、酸素ボンベ130本を徴発。
- テレノール、ミャンマーの通信事業をレバノン企業に売却
- クーデター後に操業を中止したティラワ経済特区の企業、30社に
- タイからの日用雑貨の輸入を停止
- スーチー氏の裁判、6ヶ月以内に結審か
- AIIB、国軍政府への融資に前向き
- 宝くじ、毎月発行から隔月発行に変更
- 金とドル、急激に価格上昇
- 軍政府、エーヤワディ管区の発電所建設計画の実施権限を中国企業に
- 壊滅したミャンマーのデジタルビジネス
- クーデター後、中断した建設工事
- Telenor の業績赤字
- クーデターで企業の13%が活動停止
- 日本政府、ミャンマー緊急食料支援400万ドル拠出
- 逮捕された若者の釈放に軍が金銭を要求
- 逮捕された日本人記者を釈放
- CMP方式の製造業、ミャンマーからの撤退を検討
- レアアースの採掘による環境破壊
- 国連、「ミャンマー人口の半分は貧困層になる」と警告
- クーデター後、レアアース違法採掘増加
- 中国政府出資の自動車工場、今年操業開始
- 宝くじ一等、15億チャットから5億チャットに減額
- 中央銀行、「新口座なら、無制限の預金引出し」、
- 中国企業、ソーラー発電計画から撤退を検討
- 携帯インターネットすべて停止
- クーデター後の貨幣価値、2ヶ月で20%下落
- 日本の記者、ヤンゴンで逮捕
- 国軍の関与するビジネス
- 国軍政府、「携帯電話でのインターネット利用は許可しない」
- ライタヤ工業団地で火事と暴動
- 国軍政府、タイーミャンマー国境のインターネット接続の停止を依頼
- 学校開くなら1年に2学年を教える(6ヶ月に1学年)
- 国軍記念日、デモ隊への攻撃で90人以上の市民が死亡
- 国軍記念日にアメリカンセンターにも銃撃
- 欧米各国大使、国軍を非難
- ミャンマー外国投資委員会(MIC)の許可リスト
- 22222デモの様子
- 新サイバーセキュリティ法、多くの人が反対
- 囚人の恩赦と自衛組織の拡大
- 国内のデモの様子
- クーデター後の市内の様子 2021年2月8日
- クーデター後のヤンゴン市内の様子
- ヤンゴン証券取引所、上場企業7社に
- マンダレー-チャオピュー鉄道建設、現地調査合意
LNG火力発電所、運転中止
香港のVpower社が進めていたティラワとタケタの二つのLNG火力発電所は、7月以来運転中止をしていることが分かりました。同社は中止の理由について、エヤワディ紙にの取材に対し、世界のLNG価格の高騰、チャットの急激の下落、ミャンマー国内の電力需要の減少、電力省の電力代金支払いの混乱などを挙げています。
電力・エネルギー省の発表によると、タケタの400メガワットの発電所(China National Import and Export CorporationとVpower Groupの合弁)は完全に停止、ティラワの350メガワット(Vpowerグループの投資)の発電所は50メガワットしか発電していないと発表しています。
この停止は、電力・エネルギー省の支払い混乱が原因であり、同省は停止を受け止めています。
LNG火力発電計画はNLD政権時2020-21年に増加した工業団地とビジネスのため、必要な電力を満たすための計画です。
さらに、Vpowerはラカイン州チャオピューとマンダレー管区ミンチャン市の運転も停止しています。そのため、夏には電力不足することが予想されています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/10/12/246668.html;12.10.21
ヤンゴン市、計画停電を開始
ヤンゴン電力送電公社(YESC:Yangon Electricity Supply Corporation)は10月19日、ヤンゴン市全体が計画停電になると発表し、ヤンゴン全体が2時間以上停電になりました。
この発表以前にも、ヤンゴンを含む全国で停電が増えています。
また最近停電する時間が長くなっています。国軍政権は、発電、送電が順調に行っていないと電力・エネルギーの専門家が語っています。
ミャンマーの電力供給は10年前から速いスピードで改善してきましたが、クーデター後に改善が止まっています。クーデター後に世銀を含む国際社会の支援が停止し、フランス企業(3500万ユーロのシャン州の計画)や日本企業3社(20億ドルのテイラワ経済特区のLNG電力計画)の投資も停止されています。
必要な発電能力の増加させるため、NLD政権時にソーラー発電事業を落札した多くの中国企業も建設を停止しています。
さらに、香港VpowerのLNG2か所の発電所も停止しています。
ミャンマー発電は、水力発電は32%、天然ガスから20%、石炭とその他は50%になっています。
2020年発表ではミャンマー人口の54%に電力が供給されています。
みゃんまーは、電力需要が高いですが、外国からの投資が入る見通しが立たないため、発電は以前のように水力発電に頼ることになりそうです。そうなると夏に水が少ないため、計画停電が増えるだろうと専門家が語っています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/business/2021/10/22/246933.html;22.10.21
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クーデター後、電力供給混乱
クーデター後、国軍に反対するため、電気料金の支払いを拒否する人が増えています。そのため、ヤンゴン、マンダレーでは電気料金の収入は3月までに2%から3%しかありません。これを見ると今年の発電事業の損失は2兆チャット~2.5兆チャットに達し、これは全収入の10%に該当します。
さらに、多くの電力省の公務員も反政府活動(CDM:The Civil Disobedience Movement)に参加し、電気料金の支払いに反対しています。
国民も電気料金の支払いを拒否して、無視しています。国軍政府は、5カ月以上滞納する場合は、電気供給を止めると語っています。
電力・エネルギー省は収入減少のため、外国企業等からの電気の購入を中止する可能性が出てきています。
電力・エネルギー省は、公務員4058人(技術者も含め)を解雇したため、電線等を修理や管理などをする技術者が不足になり、近い内に停電が酷くなると専門家が語っています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/business/2021/07/19/244295.html;19.7.21
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国軍政府、1兆7000憶チャットの軍予算を発表
国軍政府は、下半期(今年の10月から来年3月)の軍予算として1兆7000憶チャット使用すると発表しました。これは公務員の給与に次ぐ予算額です。政府の下半期の総予算は9兆チャットであり、軍予算は全体の15%を占めています。
教育用予算は1兆チャット、保健予算はコロナ対策の予算1000億チャットを含めても6000億チャットしかありません。
出所:https://www.bbc.com/burmese/live/burma-58748461;10.10.21
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欧米企業、 相次いでミャンマーから撤退
British American Tobaccoは、国軍によるクーデター後、治安の悪化が続き、長期ビジネスの見通しがたたないことから、今年末にミャンマーでの全ての事業を停止し、ミャンマーから撤退すると発表しました。同社は、2013年にミャンマーへ進出して、事業を続けてきました。
デンマークの小売大手ベストセラー社は、Ecotextileニュースにの取材に対し、10月末から繊維製品をミャンマーの縫製工場に注文することを停止すると語りました。
ミャンマーの繊維製品の輸出額は2012年に9億ドルでしたが、2019年には52億ドルまで増加し、2024年に100億ドルに達する予定でした。繊維産業には60万人の労働者が雇用されています。95%は女性です。
ヤンゴンで有名なスーパーマーケット、ドイツのMETRO Wholesale Myanmarは9月1日、同社のソーシャルメディアで、10月末にスーパーマーケットの営業を停止すると発表しています。METRO Wholesale Myanmarは2017年にミャンマーに進出しました。
出所:https://burmese.voanews.com/a/british-american-tobacco-pulls-out-of-army-ruled-myanmar/6268032.html?ltflags=mailer;13.10.21
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中古車価格の上昇
自動車の輸入制限により、海外から輸入される乗用車の価格が上がっていることが、自動車市場の関係者への取材で分かりました。
中古車価格は、車種によって異なりますが、1400万チャットの車は1800万チャット、2000万チャットの車は2400万~2500万チャット、7500万チャットの車は1億チャットというように、30%から40%価格が上昇しています。
トヨタのクラウン、アルファード、クルーガーなどは、そもそも品薄で市場で購入することが厳しい状況です。
自動車の購入の目的は、販売や使用以外に、投資や資産保全もあるようです。これは、チャットの価格下落に対処するためにドルや貴金属を購入する人が、自動車の購入も始めているということです。
コロナウイルスの感染が拡大した2020年から自動車販売は厳しくなっていましたが、2021年10月から自動車の売れ切れが目立つ状況になっています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/10/07/246513.html;7.10.21
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自動車輸入制限
自動車販売展示会、Myanmar Convention Center(2021年9月6日)
国軍政府は、チャットの交換レートの下落が続いているため、外貨使用を減少する目的で、10月1日から海外からの自動車輸入を制限しました。
このため、国内の自動車の価格が上昇しています。輸入制限の対象となったのは乗用車が主であり、商業車とバスが含まれていません。
この影響で、自動車の価格は、種類によって10%から40%値上りしています。一方で、自動車購入の需要は増えており、販売店で売り切れの状態が続いています。ある販売店では店を閉めています。
米国製のシボレーの2つの販売店も販売する商品が無い状態です。シボレーはこれまで販売店で5000万チャットで販売されていましたが、市場では5800万~6000万チャットで取引されています。
チャットはドルに対し50%下落していいますが、自動車価格の上昇は20%~30%しかありません。
中国系の自動車販売店(DFSK Motor Dongfeng Sokon Automobile)の担当者は、輸入した自動車の代金はドルで支払うのに、販売はチャットでローン販売するため、ドルレートの急激な上昇により困っていると語っています。
新車市場では、ミャンマー国内のセミノックダウン生産が75%を占めていますが、その部材の輸入価格も上昇しています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/car-import-suspended-impact/6255146.html?ltflags=mailer;3.10.21
ミャンマーのG・D・P 、100%以上増加?
世銀やIMFは今年度のミャンマー経済は18%減少すると発表していますが、ヤンゴンの市内の反政府系の経済評論家の間では、国軍政府の8カ月間でミャンマーのGDPが109%増加したというジョークが流行っています。
ミャンマー経済を評価するにあたっては、金(Gold)とドル(Dollar)と石油(Petro)の価格が重要な要素になっていますが、この8か月間の国軍政府の統治の間に、この3つの価格が大幅に上昇しました。
日付 G(金) D(ドル) P(石油)
1月29日 1,319,500 1,337 755
9月30日 2,230,000 2,700 1,925
(金1チャター、1ドル、石油1リットルの価格。単位はチャット。)
8か月間の価格は、金が 69%、ドルが101%、石油が155%で平均して109%上昇しています。
ミャンマーではミャンマーチャットが不安定なため、国民は金やその他の貴金属を保有したがり、貴金属の価格がドルと連動して上昇しています。
出所:KISニュース
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中国、ミャンマーの開発計画21件に600万ドル支援
ヤンゴン市内で中国国旗を焼いている様子(Photo:AFP)
中国政府が、ミャンマーの開発計画21件に対し600万ドルの支援を行うことが分かりました。この21件の計画の中には、文化、農業、科学、観光などの他、動物の予防用医薬品の事業が含まれています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/China-support-development-fund-to-Myanmar-junta-/5998671.html?ltflags=mailer;11.8.21
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コロナ予防薬の国内生産を強化
ミンアウンライン国軍総司令官は、8月9日のコロナ対策会議において、コロナ予防薬の海外からの購入を継続するなら国家財政が破綻するとして、コロナ予防薬を国内で生産する様に号令を掛けました。
総司令官は、漢方薬業界と西洋医薬業界が共同して開発にあたるように指示を出しました。
ミンアウンライン総司令官
出所:https://burmese.voanews.com/a/myanmar-military-leader--general-minaunghlaing-on-vaccine/5997246.html?ltflags=mailer;10.8.21
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ミャンマー中国商工会議所、低額コロナワクチンを提供
ミャンマー中国商工会議所は、中国製のSinophramコロナワクチンを5万チャット(2回)で民間に提供しています。
中国からの購入価格は50ドルです。同サービスは軍政からの許可を取っています。
同商工会議所以外にも民間病院などにコロナワクチンの提供が許可されていますが、まだサービスを開始しているところはありません。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/08/11/245061.html;11.8.21
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中緬新通路、開通
中緬新通路の開通
8月25日、「中緬新通路」と名付けられた鉄道の開通式が行われました。この鉄道は、中国の一帯一路の一部であり、雲南省臨滄市とミャンマー東北シャン州Chinshwehaw市を繋ぐものです。
中国のテレビは、この鉄道は、最終的にはラカイン州チャオピュー市から雲南省昆明を繋ぐものと報道しています。
この鉄道の建設計画は2019年、NLD政権時に調印された33件の計画の一つです。国軍政府は、前政権時の計画を停止すると言っていないため、中国はこれ等の計画を当初の方針通りに実施している様です。
出所:https://burmese.voanews.com/a/bri-new-railway-opened-at-china-myanmar-border/6017405.html?ltflags=mailer;27.8.21
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オーストラリアの鉱山会社、ミャンマーから撤退
Photo:Financial Review
オーストラリアのMyanmar Metals Limited(MML)社が、北シャン州Namtu市のBawtwin鉱山開発に係る同社の51%のシェアを売却する合意書に調印したことが分かりました。
この開発計画は、EAP Global Mining とWin Myint Mo Industries2社との合弁であり、Win Myint Mo IndustriesがMMLの51%のシェアに3000万ドル支払うことに合意しているとのことですが、一方で中国のYintai Gold社がMMLの持ち分を承継するという情報も流れています。
MMLは2月のクーデター後、豪州証券取引場で取引が停止されています。また、同社はシャン州Winto鉱山からの銅の購入や鉱物の掘削も停止しています。
Namtu鉱山は、昔イギリスが開発した大きな鉱山の一つであり、米国のフーバー大統領が1929年から1933年まで経営していたこともあります。それ以前は中国が数百年に渡り、開発を進めていました。
出所:http://www.thithtoolwin.com/2021/08/myanmar-metals.html?
utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;20.8.21
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クーデターによる失業者100万人以上
クーデターによる工場閉鎖、職場閉鎖などでミャンマーの失業者は100万人以上になっていると国内の労働組織が語っています。
労働組織は、残っているのは国軍と近い関係に中国系の工場と国内の一部の工場しかないと見ています。 労働組織は、クーデター後200以上の工場が閉鎖した原因は、銀行から現金引出せず、労働者への賃金が払えなかったこと、原材料輸入の混乱、製品輸出の混乱などが主な原因と考えています。
労働組織の統計では、2月から6月までに失業者は100万人以上で、ヤンゴンでは70万人、その他マンダレー管区、パゴー管区、エーヤワディ管区などを含めると100万人以上になります。
失業者の多くは女性であり、家族の生活、社会、医療などには大きな損害が出ているということです。
出所:https://burmese.voanews.com/a/5945908.html?ltflags=mailer;29.6.21
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銀行の外国人雇用を規制
ミャンマーの銀行の様子
ミャンマーの銀行の外国人雇用を規制する中央銀行の決定は、金融面で悪い影響を及ぼすとの警告が出ています。
ミャンマーの銀行は、クーデター前は外国からの投資により利益を上げていました。
8月2日、中央銀行は大手銀行に対し外国人の雇用を25人以下とすること、中規模銀行は15人以下、小規模銀行は8人以下とすること、また外国人の雇用の期間は3年以内とすることなどを指示しました。
さらに、外国人を雇用するには30日前に中央銀行の許可を取得すること、重要なポストはミャンマー人だけを雇うことなどを指示しました。
2月1日のクーデター後は中央銀行総裁のポストは国軍が握っています。大手銀行のある役員は、ミャンマーの銀行業界にはまだ多くの外国人が必要であり、外国人の雇用を規制することは銀行のマネジメントの弱体化につながると語っています。
クーデター前は、KBZ、UAB、YOMA、MCBなどの銀行は、銀行間の競争に打ち勝つため、多くの外国人を役員として雇っていました。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/08/03/244829.html;3.8.21
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クーデター後、多くの工場が閉鎖
クーデター後に多くの繊維工場が閉鎖していることが業界関係者への取材から分かりました。
従業員100人以上の日本のMyanmar Parfun社、従業員1000人以上の中国のHengmao Garment(Myanmar)などは、コロナウィルスの影響やミャンマーの政治状況の悪化により海外からの注文が減少したことにより工場を閉鎖しています。
中国のHengmao Garment(Myanmar)は、ミャンマーに4つの工場を持っており、そのうちの1工場を閉鎖しています。
工場閉鎖には、事業の全面撤退のケースと一時閉鎖のケースがあると工場関係者はAyawaddy Newsに語っています。
事業を全面撤退するケースは、海外顧客と直接の注文関係がなく、海外から受注している他の工場から下請けで仕事をしている工場が多いということです。
労働省の話では、現在、閉鎖を進めている工場は増えており、更に200以上の工場が労働省に閉鎖を通告しているとのことです。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/06/29/243581.html;29.6.21
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中央銀行指示により、経済が混乱
中央銀行は6月16日民間銀行に対し、「現金流通を改善するため、デジタル決済の使用促進」の指示を出しましたが、銀行、ビジネスマン、一般人の間に波紋を呼んでいます。
殆どの関係者は、この指示により銀行から現金の引出しが難しくなると受け止めています。
中央銀行の指示は、銀行に預金を持っている国民に対し、貯蓄預金を解約して現金化することを制限し、一旦普通預金に移してから、引き出すように命じています。 普通預金からの現金引出しも1週間に1回とし、ATMや他の決済手段から引出すように指示しています。また、貯蓄預金は満期にならないと現金化できないようにしています。
貯蓄預金から普通預金への資金の移動にも、制限がかかり、最低3か月間は貯蓄預金の口座に資金を置いておくことが条件になっています。
国民の多くは貯蓄預金や定期預金を保持しているため、中央近郊の指示は大きな影響を及ぼしています。
専門家は、この中央銀行の指示は、銀行と預金者の契約内容と矛盾するものだと警告を出しています。
KBZの銀行サイトでは貯蓄預金口座は誰でも1万チャットで開くことができ、開設直後に9000チャットを引出すことが出来るとなっています。 通帳には1000チャットあれば大丈夫で、利子率は年5%で、入金は規制なしで何回でもできるとなっています。引き出しは、週に1回で、引出す金額は規制されておらず、幾らでも引き出せることになっています。ATMでの引出し金額は最高一日100万チャットとなっています。
定期預金は、満期になれば元本も利子も引出すことが出来ます。満期になる前でも引出しはできますが、利子は受け取れません。定期預金は、期間と利率が様々ですが、引出しはいつでもできることになっています。 また、口座を解約するときには預金残額を1度で引出せることも銀行と預金者の契約に含まれています。 その契約があるから預金者は銀行に預金をしています。
預金者の預金の引き出しを制限する今回の中央銀行の決定は、銀行と預金者の契約内容を強制的に破棄するものです。 民主主義と市場経済がある国なら、預金者は銀行を訴えて、自分の預金の返還と賠償を請求することになる事態です。
中央銀行の指示No.2は、政府プロジェクトを落札した者に対する支払いは現金ではなく、口座への送金または小切手で行うというものです。 道路、橋、学校、病院など建設工事を楽した者は、原材料の購入や労賃支払いに充てる現金を銀行から引き出せないため、工事が進められないという問題が起きています。
企業やスーパーマーケットなどの売り上げに関し、現金での支払いは1ヶ月売上代金の50%以下とし、残りは送金とするように銀行に指示が出されています。
現在の中央銀行のやり方は、軍事政権時に銀行を倒産させないことが第一の目的で、そのため、民間人、ビジネスマンが困ることは無視されており、銀行への信用がますます失われています。
軍事政権が経済の立て直しをできるか、見通しが不透明です。
カナダ企業、国軍とのロビー活動契約から撤退
国軍政府は2021年3月に、ミャンマーに対する欧米諸国の経済制裁を緩和するため、カナダのイスラエル系企業Dickens and Madsonと200万ドルの契約書を締結していたことが分かりました。国防省大臣のMya Tun Oo大将が契約書に署名しています。
契約書によると、米国、サウジアラビア、UAE、イスラエル、ロシアなど国連加盟国の他、アフリカ連合、その他の国際組織などへのロビー活動をすることになっていました。
しかし米国とカナダ政府が経済制裁緩和に関し理解を示していないことから、Dickens and Madsonは6月30日にこの契約書を解除し撤退したと発表しています。同社は報酬を全く受け取っていないということです。
出所:https://www.myanmar-now.org/mm/news/7454;15.7.21
国軍に技術を提供している技術系企業
国軍はクーデター直後にインターネットを規制することに力をいれ、規制法も発表ました。反政府デモには、インターネットが使用されることが多いため、政府はFacebook、 WhatsApp、 Twitter、 Instagramなどを停止させました。
これを実行するため、海外からの企業を含め40社以上が技術をミャンマー政府に提供しているとJustice for Myanmar(JRM)が語っています。これらはイスラエルのSpy SoftwareのCellebrite、カナダのOpen TextのEnCase Forensic V8、 Mobile InvestigatoとMagnet ForensicsのAXIOM Cloud、スウェーデンMSABのSoftware、 米国のOxygen Forensice、US SUMURI、Media Clone、イタリアのSecur Cube、中国のHuaweiの自動車車両番号(Number Plate)を読むソフトウェア、 インドのBharat Electronics Limited(BEL)のレーダーなどです。
BLEはスウェーデンのSaab、デンマークのTerma、イタリアのBerettaとElettronica、フランスのThales、イスラエルのIsrael Aerospace Insustriesなどと提携しています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/article/2021/06/29/243563.html;29.6.21
インターネットを巡る国軍と民主化勢力との戦い
国軍は2月1日にクーデターを実行したときに、早朝に通信会社に強制的に立ち入り、インターネット接続を遮断したため、50%以上の人がインターネットに接続できなくなりました。 これにより金融やビジネスに大きな影響が出たため、国軍は夜にはインターネットの接続を再開しました。
翌日には、保険会社の従業員のFacebookから反政府運動が始まりましたが、この時から民間と軍のインターネットを巡る戦いが始まったと言えます。
国軍は、MPT、 Telenorなどの通信会社を支配下に置けば、インターネットをコントロールできると考えていましたが、民間ではこれらの通信会社のサービスを受けずにインターネットを利用できるVPN(Virtual Private Network)の使用が、クーデター後1週間で50倍以上増加しました。
軍によるインターネット規制で、インターネット使用者は2500万人から60万人に減少しました。これにより、ある地域ではデモ活動が止まっていましたが、VPN使用でインターネット利用が再開しました。5月18日のICG-International Crisis Groupの報告書は、軍はVPN使用を規制していると述べています。
EIN Presswireニュースは、ミャンマーには無料で利用できるVPNサービスが3つあり、それはExpress VPN、 Dot VPN、Going VPNだと述べています。EIN Presswieは、無料VPNを安心して利用できるようにするには、民主化勢力の支援が必要だと述べています。
ICGは、軍に対しスムースなインターネット接続を要求するより、NordVPN、SurfsharkVPN、ExpressVPN、VersatileVPN、CybarGhostVPN、IPVanish VPN、AnonymousVPN、VyprVPN、VeteranVPN等を無料で利用できるようにする方が、民主化勢力の支援になると意見をのべています。
世銀、「ミャンマーの雇用数100万件減少、貧困層が倍増」
貧しい国民(Photo:AFP)
世銀は7月25日、「ミャンマーでは、クーデターとコロナウイルスで雇用が100万件減少し、貧困層が2倍になった。」と発表しました。
世銀は、ミャンマー経済は来年は成長率がマイナス18%になると予測し、経済規模はクーデター前より30%小さくなるとも述べています。世銀は、NLD政権時に、2020年にコロナで落ち込んだ経済は2021年に回復すると述べていました。
世銀は、現状のミャンマー経済は過去10年に得た経済発展を失ったとも語っています。
https://www.rfa.org/burmese/news/myanamar-business-decline-07262021061910.html;26.7.21
ミャンマー、世界の最貧困国23国に。
MYANMAR-COUP-POLITICS-FOOD, FOCUS
国連世界食糧計画(WFP)と国連農業食糧機関(FAO)は3月の報告書で、ミャンマーを世界最貧困国23ヶ国に含めたと述べています。
FAOのPatrick Jacqueson氏は、人道支援が早急に実現しないと4カ月後に食料不足は危機的になるとが語っています。
ミャンマーの人口のうち4100万人が貧困層に分類され、50万人は最貧困層に分類されることになると国連が語っています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/world-worst-hunger-myanmar-un-wfp-fao-/5985888.html?ltflags=mailer;31.7.21
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軍関係者、酸素ボンベ130本を徴発。
カレン州の軍政担当者Colonel Myo Min Naungは、タイからヤンゴンに送られた酸素ボンベ130本が軍関係者によりカレン州のミャワデイで徴発されたと告発しました。7月24日に、タイからミャンマー国境町ミャワデイへ入るトラックを止めて酸素ボンベを徴発したということです。
この様にミャンマー各地で軍関係者が工場、薬品店、販売店などから酸素ボンベ、薬品、食品などを徴発し、その結果これらの工場、薬品店、販売店などは閉店を余儀なくされています。
酸素ボンベの価格は以前10万チャットぐらいで取引されていた40リッターのものが、今は200万~400万チャットに高騰しています。薬品価格も3倍~10倍も高くなっています。食品も2倍~3倍に上昇しています。
それでも、購入できれば運が良いと言われています。軍関係者の徴発により、需要と供給のバランスが破壊され、市場で品不足、価格の高騰が起きています。
工場、販売店などは、徴発のリスクが高まったことで、その分商品価格を上げています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/07/26/244505.html;;26.7.21
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テレノール、ミャンマーの通信事業をレバノン企業に売却
Myanmar Telenor
ノルウェーの通信事業者テレノールは、7年前(2014年)に設立したミャンマー・テレノール社をレバノンのM1社に売却することで合意しました。
テレノールは国軍によるクーデター後に7億5200万ドルの損失を出しており、ミャンマー事業を売却することを決定したということです。レバノンのM1グールプに対する売却価格については7月8日に、1億500万ドルで合意したと発表されています。
テレノールのミャンマーからの撤退は、ミャンマーの通信市場での競争のバランスがくずれ、市場での競争がなくなることが通信事業関係者の間で懸念されています。
テレノール社のミャンマーでの事業権の期間は15年です。現在、テレノールのユーザーは1800万人います。
レバノンのM1グールプは、ミンアウンフライン総司令官の保有企業であるMytel(ベトナムとの合弁)の基地局事業を行っているIrrawaddy Green Towers 社の株主社でもあります。 M1グループは、Burma Campaign U.Kのブラックリストに入っています。
米国のヒューマンライツウォッチは、テレノールの撤退について、ミャンマーでは人権を無視しないと事業がきないことを示していると発表しています。
https://burmese.voanews.com/a/telenor-quit-myanmar-to-sell-m1/5958540.html?ltflags=mailer;9.7.21
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クーデター後に操業を中止したティラワ経済特区の企業、30社に
国軍のクーデター後、ティラワ経済特区にある多くの企業が操業を中止しましたが、6月現在で、中止した企業は30社にのぼっていることが分かりました。
日本企業を含め操業を中止した工場の多くは、国内市場向け商品を製造している工場が主ですが、その原因は、クーデターにより市場の購買力が落ちたこと、原料確保が困難なこと、銀行の機能マヒにより現金の流通が困難になったことなどが挙げられています。また、本国の方針で操業を止めた企業もあります。
ティラワ経済特区の管理委員会によると、同経済特区には、122の工場があり96の工場は稼動していましたが、そのうちの30工場は一時的に操業を中止しています。
その中にはコロナウイルスで操業を中止している鈴木自動車や、6月に操業を中止したインスタントラーメンのエースコックなども含まれています。
同経済特区には、鉄鋼製品、セメント、建設資材、自動車組立、自動車パーツ、肥料、農業用製品、飲食、食品、薬品と関連製品、繊維などの工場があります。
投資の多くは日本からであり、金額は20億ドル以上に上ります。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/06/08/242678.html;8.6.21
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タイからの日用雑貨の輸入を停止
商業省は、外貨節約のため、6月4日から国境経由輸入されている石鹸、洗剤、歯磨き粉などの日用雑貨の輸入を停止すると発表しました。
商業省は、5月1日にもインスタントのコーヒー、清涼飲料水、乳製品などの輸入を停止しています。
巷では、この輸入停止措置の背景としては、国内でボイコットされている国軍関連企業が製造している商品を使用させるためではないかという説も出ています。
というのは、この輸入停止措置は、国軍総司令官がモン州にある国軍関連の石鹸工場を訪問した直後に出されているからです。この工場は2002年から色々な石鹸を製造していますが、品質が悪いため市場では知られていません。
国軍関連企業MECは、2019年にもドイツとスウェーデンから歯磨き粉製造設備を輸入し、Dentomecという名前の歯磨き粉を製造していますが、この商品も市場ではほとんど売れていません。
石鹸の輸入停止措置が発表された後、Citymartのようなスーパーマーケットでは石鹸の買い占めが起きたため、一人当たりに2つしか売れないようにしています。値段も30%ぐらい値上がりしています。卸店、小売店などでも石鹸は棚から消えています。
国民が、国軍関連企業の製品をボイコットしているため、これまで80%以上のシェアを持っていたミャンマービールの販売は、2021年第一四半期には49.6%減少したことがキリンビールの5月の発表で分かりました。
出所:https://burma.irrawaddy.com/business/2021/06/08/242655.html;8.6.21 KISニュース
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スーチー氏の裁判、6ヶ月以内に結審か
スーチー氏の裁判が6ヶ月以内に結審する見通しであることが分かりました。
スーチー氏の弁護士によると、裁判は今年の2月16日に始まり、最低週に1回審問が行われているということです。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/06/07/242632.html;7.6.21
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AIIB、国軍政府への融資に前向き
中国政府がバックアップしているAsian Infrastructure Investment Bank(AIIB)のJoachim von Amsberg副会長は、ファイナンシャルタイムズのインタビューで、同行は、ミャンマーのプロジェクトの推進のために、国軍政府に融資を行うことに前向きだと語りました。
AIIBは、2016年に中国の一帯一路計画を支援するため、中国が中心となって設立され、現在まで119件の計画に240億ドルを融資を行ってきました。
ミャンマーはAIIBのメンバーであり、2016年にミャンマーの民間エネルギー計画に2000万ドルの融資を受けています。
2月1日の国軍によるクーデターで、800人以上の市民が殺され、5000人以上が逮捕されたことで、世銀やADBはミャンマーのプロジェクトに対し、金融面での支援を停止していますが、AIIBの発表はこの後出されています。
米国のスチムソンセンターのの中国・ミャンマー関係の専門家Yun Sun氏は、欧米諸国の制裁で欧米の企業とミャンマーの関係が弱体化したことをチャンスととらえ、中国の企業が参入してきていると分析しています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/business/2021/06/02/242418.html;2.6.21
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宝くじ、毎月発行から隔月発行に変更
政府のアウンバレイ宝くじ事務所 宝くじの販売店
アウンバレイ宝くじは、これまで毎月一回発行されてきましたが、国民は宝くじの販売代金が軍の手に入ることから、宝くじの購入を控えるようになっており、宝くじの販売店の多くが閉鎖されています。軍政府は5月12日、宝くじの売上低迷に対応して、宝くじの発行をこれまでの毎月から隔月に変更すると発表しました。
一等の賞金もこれまでの1億5000万チャットから5000万チャットに減少しています。しかし、販売低迷が続いているため、教育省傘下の小中高や大学、各省庁でも強制的に買わせるようにしています。
http://www.thithtoolwin.com/2021/05/blog-post_740.html?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;12.5.21;22.5.21
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金とドル、急激に価格上昇
ヤンゴンにある金の販売店 ドルの両替店
国軍によるクーデター後、金とドルを購入する人が増えたため、購入する際に引換券を受取って現物の取得まで数日待たされるようになっています。
5月11日に金は1チャータ(ミャンマーの重さの単位)当り159万チャットでしたが、二日間で180万チャットまで上昇しました。20万チャット以上値上りをしました。
この原因は、銀行に預金したり手元に現金を保有したりすることがリスクがある一方で、投資先がないためであり、金やドルは容易に現金化できるためです。
ドル対チャットのレートも、5月11日には1ドル=1800チャットまで上がり、クーデター前と比べて大幅なチャット安になっています。(クーデター前は1ドル=1334チャットでした。)
ヤンゴンでも、多くの店舗が、賃貸借期間が満了した時点で閉店しているため、そのため「テナント募集中」という看板が増えています。
多くの店舗は、2020年はコロナで店舗を閉鎖していたため、大きな損失を出しています。2021年には営業を再開する予定でしたが、2月1日の軍のクーデターで、その計画が潰えて、ビジネスの見通しが立たなくなっています。
軍政府、エーヤワディ管区の発電所建設計画の実施権限を中国企業に
軍政府は、投資額25億ドルのエーヤワティ管区の発電所建設計画の実施権限を中国企業に与えると発表しました。この発電所の能力は1300メガワット以上といわれています。
Supreme社は、この事業は中国企業とミャンマーのSupreme社の合弁として行われ、NLD政権時に合意されたものであると語っています。
クーデター後、経済が悪化して外貨不足している中で、外貨獲得の狙いがあると見られています。
出所:https://www.bbc.com/burmese/live/burma-56833883;9.5.21
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壊滅したミャンマーのデジタルビジネス
軍政府によるインターネット規制や銀行預金引出しの停止措置により、Wave Money、 KBZ Pay、 OK Dollarや 各銀行のクレジットカード、通信事業者 4社のオンライン サービスなどがサービス中止に追い込まれています。
国連の調査によると、2011年12月にミャンマー国内でインターネットを利用できたのは人口の1%に過ぎませんでしたが、2021年には43%に達し、多くの国民がFacebookを利用しています。
2017年にミャンマーに進出したシンガポールのVulpes Investment Management社は、インターネット使用の急速な増加により、新しいビジネスの創出や起業のチャンスが増えたと語っています。同社は過去2年以内に技術系10社に投資しています。その他のビジネスや地域の技術産業に対する投資も検討を進めています。
中国の金融業者Ant Groupは、Wave Moneyに7000万ドル以上を投資しています。Alibabaは、ミャンマー国内のE-Commerce事業者であるShop.com.mmを買収しています。住友商事は、2020年にミャンマーの技術系企業であるNearMeに投資をしています。その他の送金サービス事業者のOnePay、OK Dollar等の企業も続々と成長し、国内の銀行も独自のデジタル決済サービスを開始しています。
Kantarの市場調査によると、2016年までは国内の決済の44%は大きな袋で現金を運んで実施されているということでしたが、2019年11月には決済の80%がモバイルサービスで行われています。モバイルでの送金は農民を含む農村部の人達を都市の消費者と繋げています。都市ではタクシー(Garbなど)の予約や食品の配送(Food Panda等)などが、モバイルアプリケーションサービスで成長していました。特にFacebookを通してサービス産業が広がっていました。
しかし、2月の軍によるクーデター後は、Facebookを始めとする多くのソーシャルメディアのプラットフォームがサービスを停止しています。 VPNなどを使用する人達もいるが、業界全体としては大きな損害が出ていると業者は話しています。
ミャンマーのE-Commerce産業の規模は数十億ドルの規模でしたが、現在これがすっかり停止しています。軍によるクーデタ後は、銀行の閉鎖により現金流通の不足、物価の高騰、銀行間決済、国際的な資金決済の殆どが止まっています。
インターネットの接続制限により、銀行とモバイルサービスが機能停止となり、海外で働く人の国内への送金も影響を受けています。世銀の統計によると2019年の海外からの送金は24億ドル(GDPの3%)でした。400万人のミャンマー人が、タイとマレーシアなど海外で働いています。ブロードバンドのインターネット使用の送金サービスを除いて、90%以上の送金サービスが業務を停止しています。海外から送金の上限は356ドルとされており、これすらミャンマー国内でチャットでの引出しが不可能になっています。
NLDの議員が中心となって設立された「連邦議会代表委員会」(CRPH)は海外で900万ドルの寄付金を受取っていますが、海外から寄付金が国内の反軍政活動に支援が届かない様にしています。
Vulpes Investment Managementは、工場に労働者が出勤しないため、投資家は大きな損害を受けていると述べています。労働者が出勤しない理由はデモに参加するか、警察に逮捕されることや誘拐されることを心配しているためだということです。
国軍のクーデターで少なくとも750人以上が殺され、数千人が逮捕されています。2月1日から4月9日に殺され人は345人で、年齢は16歳から35歳の間です。
クーデターで若者の教育も悪化しています。多くの若者の間でストレスが溜まっており、頭脳流出が起きても不思議ではありません。
若者の学習意欲と創造力が、クーデターにより全く消えてしまっているとヤンゴンのインターネット企業の関係者は語っています。彼は、軍政府は自由なインターネット環境を壊滅させ、過去数十年の技術の蓄積を破壊した、ミャンマーは1990年頃に戻ってしまったと語っています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/article/2021/04/30/241287.html;30.4.21
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クーデター後、中断した建設工事
旧鉄道ビル跡地に建設中のホテル(Photo:Shwe Inn Thar)
建設業者たちは、NDL政権の時には、政府の計画建設に対し競争入札に参加して協力したが、クーデター後は軍の入札に参加する企業はなく、入札無しで建設権を渡されても断わるケースが多いと話をしています。
民間の建設工事が中断しているのは、建設資材価格の高騰や銀行からの資金引出しが出来ないことが主な原因となっています。
ヤンゴン中心部の総工費1億3000万ドルのペニンシュラホテル計画も、1年間建設と中断すると発表しています。
コロナウィルスの感染が拡大した2020年のコロナ管理下でも建設業は工事を進めていました。建設業各社は2020年10月から2021年にかけての工事を進めるよう準備をしてきました。特に乾期の1月~5月末までに、工事を大きく進捗させるよう準備をしていました。
2021年に入ってから政治が不安定になり、2月に軍がクーデターを実行しました。クーデター後は、銀行を含め政府各省が機能を停止しているため、銀行からお金を引出すのが厳しくなり、その影響で建設業も悪化しています。
建設材料を扱う企業も、以前は信用取引を認めていましたが、銀行の機能低下の影響で、今では現金販売しかしないようになっています。
クーデター以前は、政府の建設工事なら、落札する企業に対し民間銀行が落札価格の30%程度のローンをしていましたが、現在はそのような与信を与える銀行がなくなっています。
建設材料は、クーデタ-後の100日くらいで30%以上値上がりしています。セメントは1袋5200チャットから7700チャット、鉄は1トン85000チャットから150000チャットに値上がりしています。
ドルに対するチャットの価値も20%以上下がって(1300チャットから1700チャットまで)います。そのため、他の建設材料も値上がりをしています。そのため、建設業が赤字になり、新しく建設工事をやる人がいなくなり、建設業界の縮小が進んでいます。政府の仕事を落札した事業者も25%までの値上がりが限度で、それ以上は採算が合わないため、中止しています。
少数民族が住んでいる各州では、軍と少数民族の紛争で工事が中断しています。農村の住民や学歴が低い人たちは、建設業を頼り、建設業で働く人の日当は8000~1万チャットです。工場か会社で職を得られない人たちは、建設業で働くことになるため、建設業は雇用を生み出す一つの産業です。
建設業を取り巻く環境は、クーデター後に厳しくなっており、近い内に雨季になります。政治の安定がなければ、8月か9月には建設工事は全て止まることになると予想されています。
出所:https://www.bbc.com/burmese/burma-57253192;26.5.21
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Telenor の業績赤字
ノルウェーの通信事業者Telenorのミャンマー事業は、ミャンマー国内の治安や人権問題の悪化で全体で赤字になっています。国内の政治状況の悪化に伴い、Telenorの第一四半期のの業績は利益が減少し、株価も2%下落しています。
同社によると、Telenorのシムカード使用は今年の第一四半期初めには200万枚あったが、3月15日には半減したということです。
Telenor社はヨーロッパとアジアの9ヶ国で通信事業を行っており、ユーザーは1億8700万人あります。
https://burmese.voanews.com/a/telenor-results-during-myanmar-military-coup/5877427.html?ltflags=mailer;4.5.21
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クーデターで企業の13%が活動停止
クーデターによる治安悪化によりミャンマーにある企業の13%が活動を停止したということが、海外10カ国の商工会議所の調査で分かりました。
2ヶ月以上に及ぶ政治不安と治安悪化の経営に対する影響は、1年間のコロナウィルスよりはるかに大きいことが分かりました。調査に回答した企業の33%は売上が75%以上減少したと答えています。50%~75%減少したと回答した企業は21%、影響がないと回答した企業は5%でした。
4月9日に行われた調査には372社が参加し、182社は日本、115社は欧米、54社はミャンマーでした。
経営が悪化した原因として、77%の企業が銀行の出入金ができなくなったことを挙げ、70%がインターネットの接続状況の悪化を挙げています。65%の企業は従業員が治安悪化により出勤出張ができないと述べています。
年末までの業績の見通しについては39%の企業が状況次第と回答し、33%は改善しない、15%は減収になると答えました。
多くの企業が、9月までに状況が好転しなければ、職場を閉鎖したり、雇用契約を解除したり、給料を半減させなければならないと回答しています。
クーデター前に投資計画を持っていた企業の53%が投資を見合わせると答え、年末までには投資を実行すると回答した企業は5%でした。
1月には多くの企業がミャンマーでの投資計画を持っていましたが、2月のクーデターで全て停止されています。
ノルウエーのTelenor社は、クーデターの影響により7億8200万ドルの損失を出したと発表しています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/05/09/241632.html;9.5.21
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日本政府、ミャンマー緊急食料支援400万ドル拠出
World Food Programme
日本政府と国連食糧計画(WFP)は、日本政府がミャンマーに対する緊急食糧支援として400万ドルを拠出したと発表しました。
拠出した日は、国軍に拘束されていた北角裕樹さんが釈放された日が同じ日でした。日本政府は、クーデター後3月末からミャンマーに対する支援を停止すると発表しましたが、今回の支援はミャンマー人にとって位置づけが曖昧なものになっています。
クーデター後は、国軍に逮捕された人達の家族は釈放のために、軍に対し20万~1000万チャットの金額を支払うことが常態化しています。この慣行に照らして、日本政府の400万ドルの支援は北角さん釈放の対価ではないかという憶測も出ています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/japan-myanmar-wfp-4-million/5890503.html;14.5.21
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逮捕された若者の釈放に軍が金銭を要求
クーデターを敢行した国軍が、逮捕された若者700人の家族に釈放すると伝えて、富裕な両親から金銭を要求していることが分かりました。
一部の両親は、逮捕された子供のため500万チャット(3200ドル)以上払ったが、最終的に釈放されなかった不満を語っています。
対象となっている逮捕者は、5月14日時点では3971人いることがAAPP (Assistance Association for Political Prisoners (Burma))の統計から判明しています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/05/17/241877.html;17.5.21
逮捕された日本人記者を釈放
Sanchaung区警察署に逮捕された日本人記者北角裕樹さん(26.2.21)
国軍系のMyawady テレビが13日、日本政府とミャンマーとの協議により、逮捕され拘留中の日本人記者北角裕樹さんを釈放されると報じました。
出所:https://burmese.voanews.com/a/sac-promise-to-free-japanese-journalist/5889844.html?ltflags=mailer;14.5.21
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CMP方式の製造業、ミャンマーからの撤退を検討
多くのCMP方式の製造業が、政治不安、EUを含む欧州国のGSP適用停止(GSP: Generalized System of Preferences=一般特恵関税制度)などの理由によりミャンマーからの撤退のる準備をしていることが分かりました。
ある企業は、バングラデッシュ、ベトナム、カンボジア等に移動する準備をしています。5月3日のカンボジアの新聞は、香港の企業家はカンボジアで20か所の工場建設用地を探していると述べています。
2020年のコロナウイルスで数百件の工場は一時操業停止したか、完全に操業停止をしていました。これに加え2月のクーデター後に、ライタヤとシェアピタ工業団地にある複数の繊維工場が火災にあいました。
商業省の統計によると、ミャンマーの繊維工場からEU、日本、韓国などへの輸出は2019年度には50億ドルに上っていました。
繊維産業は、50万人以上の雇用を持つ産業であり、中国の工場236か所、韓国67か所、日本20か所、ミャンマー人保有92か所、合計で420か所の工場があります。(この統計はミャンマー繊維協会のメンバーになっている工場の数字です)。
ミャンマーの繊維産業は、EUのGSPを再度取得した2013年以後に早急に増加し、テインセイン政権時とNLD政権時に最も多く外貨を獲得した産業分野です。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/05/05/241452.html;5.5.21
レアアースの採掘による環境破壊
日経アジア版は、ミャンマーのクーデター後に中国のレアアース価格が30%上昇したと報じています。
Errawaddy Newsは、中国製品にはミャンマー産のレアアースが大量に使用されているため、クーデター後にミャンマーからレアアースの供給減少が心配されたが、現実には中国への輸出は5倍も増加していると述べています。
2010年に中国南部でのレアアースを違法採掘が禁止されたため、中国企業はカチン州に来て採掘を行っています。
レアアースの採掘には2つの方法があり、ミャンマーでは鉱区の山に直径15センチ、深さ10メートルの穴を掘り、そこに酸などの化学物質を注入する方式を採用していますが、この方式は鉱区周辺に深刻な環境破壊を引き起こします。実際に鉱区になっている地域では、現地人は使用できなくなっています。
カチン州のパンワ地区は、世界のテルビアとジスプロシウムの生産量の30%を生産していると言われています。2018年の統計ではミャンマーは、世界で3番目のレアアース生産国になっていますが、違法採掘は含まれていません。
2018年にはミャンマーからレアアース26000トン(中国輸入の25%)を中国に違法に輸出されました。中国で完成品にされたミャンマーからのレアアースの価値は4億ドルぐらいといわれています。
カチン州では、レアアース採掘で地元の環境が破壊され、利益は中国企業が得ている状況です。
国連、「ミャンマー人口の半分は貧困層になる」と警告
国連(UNDP)は、ミャンマー政府に対し、ミャンマーはコロナウイルスの蔓延に加え、軍のクーデターが起きたため、貧困層の数は人口の半分ぐらいになるとが注意しています。
国連食糧計画(WFP)の担当者Marcus Prior氏は、「ミャンマーでは多くの工場が操業を停止しており、港もほとんどは稼働していない。さらに、銀行システムも混乱でお金の引出が難しくなっている。国内外の送金も混乱しており、6カ月以内に340万人が食料不足に陥る。」と述べています。
2020年のミャンマー経済は、コロナウイルスで悪化しました。2021年は軍のクーデターで社会が混乱し、経済が一層悪くなりました。この状況を改善できなければ、2020年上半期には、ミャンマー人口の半分は貧困層になるとUNDPの担当者が語っていま
す。
出所:https://burmese.voanews.com/a/un-report-myanmar-coup-covid-could-cause-poverty/5877813.html?ltflags=mailer;4.5.21
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クーデター後、レアアース違法採掘増加
カチン州の環境団体は、2月1日のクーデター後、中国国境の少数民族武装グループ(NDAK)の支配地域パンワ地区、チボヴェ地区でレアアースを採掘する中国人の数が5倍も増加したと語っています。
クーデター以前は、一日にトラック1~2台しか通行しませんでしたが、クーデター後は一日10~15台のトラックが通行していると環境団体の責任者が語っています。
中国政府は、コロナウィルスの影響でミャンマーからの輸入を規制しましたが、この違法なレアアースを運ぶトラックは簡単に中国へ通行しています。ミャンマーは、中国のレアアース生産量の半分を供給しています。
中国政府の統計によると、中級以上のグレードのレアアースの原料はミャンマーに頼っているとのことです。ミャンマーは2018年に、最も多くのレアアース原料を中国に輸出した国になっています。2020年のミャンマーの中国へのレアアース輸出は、前年より23%増加し、35500トンになっています。これは中国の輸入の74%になっていると中国のGlobal Time 新聞が述べています。
カチン州のTANKの環境団体の担当者は、民間政権時代には、違法な採掘が見つかれば、すぐに当局が行動を起こしたため違法行為は止まっていましたが、今は軍が何もしないので、違法な採掘がはびこっていると語っています。
カチン州では、中国のレアアース鉱区は100か所以上(ザンヌ地区では10か所、パンワ地区とチチボヴェ地区では90か所)もあります。
レアアースを採掘すると土壌と水質が汚染されるため、20か所以上の村が困っています。
https://burma.irrawaddy.com/business/2021/04/28/241220.html;28.4.21
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中国政府出資の自動車工場、今年操業開始
REUTERS Trumpchi from GAC Group at International Automobile Exhibition in Guangzhou, China
中国政府が出資している自動車会社Guangzhou Automobile Group は、ミャンマーで建設中の自動車工場は、予定通り今年操業を開始し、自動車の生産をすると語っています。
去年全世界のGuangzhou Automobileの売上高は97億2000万ドルでした。ASEAN Automotive Federationのデータによると、同社は、2020年にミャンマーで新車17,707台を販売し、そのうち10,753台はミャンマーで組み立てたということです。
去年の販売台数は、2019年と比較すれば19.2%減少し、生産は30.6%減少しています。今年はクーデターで販売台数と生産台数がさらに、減少する見通しです。
出所:https://burmese.voanews.com/a/chinese-carmaker-gac-presses-ahead-with-myanmar-factory-plan/5863189.html?ltflags=mailer;22.4.21
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宝くじ一等、15億チャットから5億チャットに減額
国軍政府は、クーデター後宝くじを買う人が減ったため、一等賞金を15億チャットから5億チャットに下げると発表しました。
国民の間に、宝くじの購入代金が国軍に入ることを嫌って、宝くじを買わない運動が起こって、買う人が少なくなっています。
宝くじの当選発表は例年2月末に行われていましたが、宝くじが売れないため、1ヶ月遅れて3月末に当選発表がされました。例年は3000万枚以上売れていたものが、この2ヶ月間で200万枚しか売れなかったということです。
国民のCDM活動が成功したと宝くじ販売者が語りました。ちなみに宝くじ販売価格は1枚1000チャットです。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/04/30/241298.html;30.4.21
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中央銀行、「新口座なら、無制限の預金引出し」、
中央銀行は4月27日、5月3日以降に銀行に新口座を開設した場合は、預金を無制限に引出せると発表しました。
5月3日までは、中央銀行が設定した上限金額まで引出せると述べています。この措置は、クーデター後厳しくなっている貨幣流通を改善する狙いであると経済学者は語っています。
2月1日の国軍のクーデター後、国営企業と民間企業の活動が停滞し、銀行預金の引出しが急増したため、この措置がだされました。
経済学者たちは、中央銀行が国民の手元にある現金を把握するのが狙いであると語っています。
深刻なことは現金の不足であり、金融機関ですら現金を引出せない状況です。中央銀行は、引出せる現金の上限を200万チャットと決定しましたが、実際に引出せる現金は100万チャットから50万までに落ちています。
中央銀行は、現金が引出せるように何のサポートもしていません。銀行から預金が自由に引出せないので、手元にある現金を銀行に預金することは考えられません。そのため、学者たちは、中央銀行の発表は実現可能性がない話だと語っています。
貨幣の印刷用の紙とインクを供給してきたドイツのGiesecke & Devrient社は3月31日に、材料の供給を停止すると発表しているため、貨幣の印刷もできない状況です。
追加情報:5月10日、新口座開くための最低金額は5000万チャットです。
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中国企業、ソーラー発電計画から撤退を検討
2020年10月に入札された29件のソーラー発電計画のうちの中に28件(1000メガワット)を落札した中国企業が、計画から撤退することを検討していることが分かりました。
撤退の理由は、クーデター後ミャンマー国内事情で中国からの銀行ローン取得が不透明になっていること、投資家の興味が薄れていること、ミャンマー国内経済の悪化で電力消費量が減少すると見込まれること(中国が投資しているLNG発電から電力省の購入が減少しています)、契約書の未完成、現地調査ができないこと等です。
入札では落札して6ケ月以内に発電を開始することになっていますが、5ヶ月を経過しても現地調査ができない状況です。2
8件の計画の総投資額は最低でも6億ドルと言われています。
建設予定地は、ヤンゴン、エーヤワディ、バゴー、マグウエ、マンダレー、ザガイン、ネピドーなどです。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/04/02/240265.html;2.4.21
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携帯インターネットすべて停止
国軍政権は、携帯電話のデータ通信とインターネット使用を4月2日から停止する措置をとっています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/myanmar-mobile-internet-shut-down-/5837394.html?ltflags=mailer;2.4.21
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クーデター後の貨幣価値、2ヶ月で20%下落
クーデター前の1月29日
ドルレートは1USD=1,337チャット
金の価格は(1.6g=1Kyatar) =1,320,000.-チャット
ATMの現金引出し =1日200万チャット
銀行からの引出し =無制限
クーデター後4月9日
ドルーレートは1USD = 1,605 チャット
金の価格は(1.6g= 1Kyatar)= 1,425,000.-チャット
ATM の現金引出し(1日) = 20万チャット
銀行から引出し(1週間)= 50万チャット
(銀行によって金額が多少異なる)
(注:Kyatarはミャンマー語の重さの単位)
ATMには、現金がないことが多いです。民間銀行で開いているのは1%以下で、開いていても現金の引出しできる店舗は3店舗までで、店舗の前にA 4の紙に書かれています。しかし、これらの店舗へ行っても引出しはできないと、拒否されています。
銀行からの引出しは1日30人に限定されており、朝3時半には30人が並んでいます。皮肉なことはヤンゴンの6区には戒厳令が敷かれており、外出時間は朝5時から夜7時、その他の区は朝4時から夜8時です。夜間外出禁止令の下でも、銀行に並ぶ人が多いです。
ミャンマーでは、順番待ちで代わりに並ぶことが新しいビジネスになっています。銀行の現金引出しなら1回当たりに2万チャット~3万チャット、ATM引出しに並ぶ場合は1万チャット~1万5000チャットです。
もう一つのサービスは、引き出す金額のサービス料3%~10%払うと現金を受取ることが出来るというものです。このサービスのポイントは、銀行にある自分の口座からそのサービス提供者が示した口座に先ず送金することです。その後サービス提供者からサービス料を指し引いた現金が支払われます。
建設業、工場、小売業者などは、このやり方で材料購入や賃金の払いを行っています。
その他、ドルと貴金属の購入をする人もいます。そのため2ケ月でドルはチャットに対し20%も高くなっています。チャットを保有している人は価値は20%下がったことになります。貴金属価格も同様に上がっています。
定期預金利子は銀行によって、1年の定期なら6%から8%、1ヶ月の定期なら4%から6%です。現状は2ヶ月でチャット価格が20%下がっていますが、時間が経つことによってさらに下がる可能性があります。
現金引出せず、いつになったら預金が引出せるかは不明であるため、時間が経てば経つほどチャット預金の価値が下がる可能性が高いです。
ミャンマーでは、簡単に現金化換できるのはドルと貴金属です。これらは内戦があっても簡単に持って逃げることもできるし、隠すこともできます。(ヤンゴン市でも内戦の心配している人はかなりいます。)
銀行から現金引き出せないことで、ミャンマー全国に送金サービスをしているWave Money (支店57000件)は、4月に入ってからサービスを殆ど止めています。Wave Moneyのサービスは、全国の330の町と殆どの田舎でも送金や受取りができるため、お金の回転力が速いことで知られています。
そのサービスが止まっていることにより、ミャンマー全国での貨幣の流通が停滞し、物々交換の時代に戻っている感じです。Wave Moneyは、中国のアリババ傘下のAnt Financial Services Group 、Telenor GroupとYoma Strategicの合弁企業であり、クーデター後からグループのYoma銀行からの現金で回していましたが、4月から現金の引出しができなくなり、殆どのWave Moneyが営業を止めています。
大きな問題は、国民が銀行の預金からお金が引出せないことに加え、各銀行が預金の状況についてなんの発表もしていないことで、銀行に対する信頼性が益々なくなっています。今の状況について、人々は自分の預金は銀行に奪われたか、銀行の設立者が預金を持って国外に逃亡したかだという話をしています。
これ対し、銀行側は、中央銀行から何の発表や知らせがないと言っていますが、これは火に油を注ぐ話で、逆に国民の心配が高くなっていす。
最近の急激なドル高は、ドル購入が大幅に増えたことが原因で、ドルの換金に必要な膨大なチャットを持っているのは銀行とその関係者しかありません。殆どの預金者は、銀行からお金が引出せるなら、チャットをドルや貴金属に変えたいと強く思っています。
2010年より前は、小売業者や一般の国民は銀行に信用がなく、商売上の支払いなどは大きな袋で現金を持ち込んで、支払いをしていました。2010年から本格的な市場開放、外資の増加により、銀行を使用することになりました。
安全性は利子所得の確保などの観点で、銀行使用者が増えました。2020年には殆どの小売業者、製造業、建設業の外注先などは、個人でも銀行を使用するようになっています。支払いは、銀行送金、小切手、モバイルバンキングなどで行われ、従業員の給料支払いもATMカード送金になっています。
この状況下で銀行の対応次第では銀行への信用がなくなり、決済の方法も以前のように大きな袋に現金を詰めて行うのか、ドルや貴金属で支払うようになるのか興味深いです。
ちなみに2月11日からヤンゴンにあるミャンマー最大のBayin Naung Wholesale市場は銀行で商品代金の受取りができないため、全面停止になっています。
出所:KIS
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過去のミャンマー便りの関連記事
デジタル送金のWave Moneyの送金額、6ヶ月で5000億チャット
デジタル金融サービスのWave Moneyは6月1日、この6ヶ月間の送金額が5000億チャットに登ったと発表しました。
Wave Moneyは2016年に事業を開始しましたが、現在全国に20万以上の代理店と150万人以上のユーザーをもっています。同社のネットワークは全銀行の10倍、全ATMカードの6倍になっています。
Wave Moneyは携帯電話事業者のTelenorとYOMA銀行が1720万ドル出資して設立した会社です。
出所:7 Day Daily,3.6.18
アリババ、ミャンマーのWave Moneyに7350万ドル投資
中国のアリババ傘下のAnt Financial Services Groupは、ミャンマーのモバイル金融の大手Wave Moneyに7350万ドル投資します。
Wave MoneyはTelenor GroupとYoma Strategicの合弁会社であり、全国330市のうち295市で57000店の代理店を持っており、市場の89%を押さえています。
ミャンマーの総人口6200万人のうち2100万人以上がWave Moneyのサービスを受けています。Wave Moneyのサービスは送金、サービス料の支払い、電話のプリペイド、電子マネー等です。
同社によると、2019年の送金の実績は2018年の3倍で6兆4000億チャットに上るということです。
Wave Moneyはアリペイのノウハウを受けて、ミャンマー国内で銀行が利用できない中小企業や個人に金融サービスを提供する計画を持っています。
Fintechの発行した“ Fears of Myanmar’s Unbanked”報告書によると、ミャンマーの金融サービス使用率はアセアンで最低です。
この問題を解決するため、政府は2013年にFinancial Inclusion Mapを開始しましたが、現在このサービスを受けているのは48%に留まっています。政府はこの比率を2022年までに60%に上げるために準備をしています。
出所:https://burma.irrawaddy.com/business/2020/05/22/223159.html;22.5.20)
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日本の記者、ヤンゴンで逮捕
日本の記者北角裕樹氏
逮捕された記者の住宅の様子
4月18日の夜、ヤンゴン市パゾンタウン区YeKyaw 道路No.49ビル,4階に住む北角裕樹氏が治安部隊に連行されました。日本大使館は、彼と連絡が取れず彼の行く方を探っています。
同氏は2月26日に、ミンニゴン区で市民デモの取材をした時にも治安部隊に連行されていますが、その日はそこで釈放されました。
彼は軍のクーデター後、逮捕された最初の外国人です。
国連が4月15日、クーデター後に逮捕された記者は71人で、半数以上は今も拘束されていると発表しています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/japanese-journalist-arrested/5858212.html?ltflags=mailer;19.4.21
BBC Burmese
http://www.thithtoolwin.com/2021/04/blog-post_947.html?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;;18.4.21
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国軍の関与するビジネス
国軍が関与するビジネスは134件あります。資源、ルビーなどの宝石、ビル、建設業、タバコ、繊維業、銀行、ホテル、不動産、運輸、製造、レストランなどがあり、これ以外に直接間接に関与するビジネスを数えれば、国軍が関与しないビジネスはないと言えるくらい国民経済に深く食い込んでいます。
軍の関与が最も大きな企業であるMEH(Myanmar Economic Holding)とMEC(Myanmar Economic Corporation)の支配者はミンアウンライン国軍司令官です。国軍関係の企業には納税の義務もなく、会計報告書の提出も不要です。
これらの企業は、2008年の憲法によれば国防省へ予算を提出だけで、それ以外には国家は何の報告もすることがないことになっており、この10年の民主化の過程でも変わりませんでした。 国防省へ提出する予算も他省のような厳密な会計報告書の作成は求められていません。
国軍は、国営の工場、大型倉庫、運輸バス、トラック等を民営化した形で非常に安い価格で払下げ、国軍傘下の企業や幹部家族、USDP政党や国軍と近い人達のものにしています。
ミャンマー投資会社管理局(DICA)に2020年1月に提出された報告書によると、MEHの株主は軍人、元軍人381,636人、各軍隊、元軍人組織、などの組織1801件になっています。2011年にはミンアウンライン国軍司令官はMEHの株式を150万株を保有し、毎年の配当は725万6000ドルです。
ミンアウンライン国軍司令官には息子と娘がいます。息子であるAung Pyae Sone氏は有名であり、クーデターをお祝いすると言ってお金を配っています。彼のビジネスは薬品、食料、メディア、Mytel Telecom(ベトナムと合弁の通信事業者)、Steller Seven、 Yangon Gallery、 Yangon Restaurant、 Kantayar病院、Sky One建設、ヤンキン区のMoe Kaung Yatana病院、マンダレー市のPullmanホテルなどを持っています。
娘のKhin Thiri Themon氏はSeven Sense映画業とEvenfit Gymを持っています。
MEH(Myanmar Economic Holding)は1990年に軍事政権が設立した企業で、1990年から2011年まで20年間で1080億チャットを配当しました。
それ以外に軍に950億チャットを配っています。このことについてアムネスティインターナショナル は MECに質問状を送ったが、質問状を受け取ったという以外に回答はありませんでした。
兵隊さんが軍が関与するビジネスから利益を得ることはほとんどありません。大佐以上にならないと受け取ることがないようです。地位が高ければ大きな利益を受け取る形になっています。国軍では地位が高ければ高いほど裕福です。
1994年に設立されたKBZ銀行グループ(Kanbowza)は、ルビー、宝石などの事業でMEHと合弁をしています。そのため、米国はMyanmar Ruby Enterprise、Myanmar Imperial Jade、Cancri社などの宝石を扱う企業を制裁対象にしています。
国連の人権委員会は、2019年9月にミャンマーの国軍に関する報告書を発表し、国軍のビジネスへの関与を断ち切ることができれば、国軍の特権を解消することができるという意見を述べています。しかし一方では、制裁を実行する場合は、国民の生活を悪化させない様に注意することが必要と書いています。
米国は軍の幹部10人を制裁対象にしており、国民は軍の幹部等が関与する企業が生産している製品(例え:ミャンマービール、MytelのSIMカードなど)を購入しない行動をしています。
https://burmese.voanews.com/a/weekly-current-affairs-analysis-military-business-boycott/5783031.html?ltflags=mailer;18.2.21
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国軍政府、「携帯電話でのインターネット利用は許可しない」
国軍のZaw Min Tun准将情報相副大臣は3月23日の記者会見で、当面携帯電話でインターネットを使用できるようにする計画はないと語りました。その理由として、携帯電話のインターネットが反政府運動に使用されていることを挙げました。
https://burma.irrawaddy.com/news/short-news/2021/03/23/239808.html;22.3.21
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ライタヤ工業団地で火事と暴動
3月15日にライタヤ工業団地で中国資本の30以上の工場で火災が発生しました。火災に際して暴動が起き、中国人従業員が怪我をしました。
China Global Television Networkは、今後はこのような事態は看過できないと述べ、ミャンマー政府が管理できなければ、中国政府は中国人と中国の利益を守るため、力を行使すると述べています。
http://www.thithtoolwin.com/2021/03/eu_37.html?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;16.3.21
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国軍政府、タイーミャンマー国境のインターネット接続の停止を依頼
国軍政府は、タイーミャンマー国境町タチレック市でタイ企業が提供しているインターネットの接続サービスを停止するようタイ政府に要請しました。
国軍政府は、3月17日から携帯電話使用のインターネット接続を全面的に禁止しています。
http://www.thithtoolwin.com/2021/03/blog-post_905.html?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;24.3.21
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学校開くなら1年に2学年を教える(6ヶ月に1学年)
国軍政府は3月23日の記者会見で、小中高等学校を近い内に再開するに際し、1年に2学年分を教える予定だと発表しました。つまり、1学年分の課題を6ヶ月で教える予定です。このことについて生徒や学生の両親が教育レベルの低下をもたらすとして懸念を示しています。
https://www.bbc.com/burmese/live/burma-56331237
http://www.thithtoolwin.com/2021/03/blog-post_737.html?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+thithtoolwin%2FyIWV+%28%E1%80%9E%E1%80%85%E1%80%B9%E1%80%91%E1%80%B0%E1%80%B8%E1%80%9C%E1%80%BC%E1%80%84%E1%80%B9%29;24.3.21
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国軍記念日、デモ隊への攻撃で90人以上の市民が死亡
3月27日、国軍記念日のデモの様子
3月27日の国軍記念日に、国軍の無差別な攻撃でデモに参加した市民が90人以上死亡しました。
この事態はクーデターした国軍にとって国軍記念日の祝砲だったのでしょうか。
市民の死亡が確認されたのは、ヤンゴンでのデラ区で12人、インセイン区で3人以上、マンダレーで10人以上、Pyin Oo Lwin市で5人以上、Meiktila市で4人以上、Pakkoku 市で3人、シャン州のMogok市で2人以上、Pathein市で2以上、Kyatpataw市で2人、rasho市で3人、DaiO市で2人、Kyatdada市で1人、Shwebo市で2人、Salinji市で1人で、それ以外に23の都市で多数の死亡者が出ています。
死亡者の中には、13歳、14歳の子供たちも含まれています。家にいた1歳の子供も目をゴム弾で撃たれました。
この日はクーデター後に最も多くの市民が殺された日でした。
地元メディア「ミャンマー・ナウ」は114人以上が死亡したと次のように伝えています。
子供、学生、若者達の114人以上の死は計画的でした。国軍記念日にミャンマー各地で大型デモが発生するという情報は数日前から国民の間に流れており、国軍にも伝わっていたはずです。国軍は事態を穏便に収集することもできたなのに、あえて厳しい対応をとり多くの死者を出したのではないかという噂も出ています。
市民の間では、「国軍記念日」は「国民殺戮日」と呼ぶべきだという人も多くなっています。
出所:https://burmese.voanews.com/a/military-coup-march-27-revolution-day-armed-force-day-killed-more-50/5830564.html;27.3.21
https://www.rfa.org/burmese/news/deaths-march-27-myanmar-military-coup-03272021060049.html
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国軍記念日にアメリカンセンターにも銃撃
米国大使館のAryani Manring氏は、VOAの取材に対し3月27日の国軍記念日にアメリカンセンターにも銃撃があったと述べました。
この銃撃が故意であるか、事故であるかは不明ですが、けか人は無かったということです。この出来事は米国がミャンマーへの経済制裁を強化すると発表したときにこの事件が起きました。
一方、ロシアはネピドーで行われた国軍記念日の式典にAlexander Fomin副国防大臣が参加しています。
銃撃されたアメリカンセンター
出所:https://burmese.voanews.com/a/ayc-amrican-center-yangon-coup-march-27-/5830608.html?ltflags=mailer;27.3.21
欧米各国大使、国軍を非難
EU、英国、米国大使は、76回目の国軍記念日に子供を含む多数の平和的なデモ参加者を死亡させたことは、国軍の名誉を傷つけるものだと非難しました。
国軍記念式典の様子
76回の国軍記念日に日本を含め欧米諸国は参加していません。参加したのはロシア、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、ラオス、タイの8ヶ国のみです。
国内の少数民族武装グループも式典に招待されましたが、参加はしませんでした。
https://burmese.voanews.com/a/march-27-military-coup-protests-/5830776.html?ltflags=mailer;27.3.21
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ミャンマー外国投資委員会(MIC)の許可リスト
外国投資委員会のMeeting /2021によって 認可された事業は下記の通りです。
No. | 会社名 | 業種 | 場所 | 雇用数 | 許可日 |
---|---|---|---|---|---|
1 | Myanmar C.P Livestock Co.,Ltd. | 養豚業 100% 外資 | ザガイン管区 Monywa 市 | 22 | 27.1.21 |
2 | Myanmar C.P Livestock Co.,Ltd. | 養豚業 100% 外資 | マンダレー管区 タダウ市 | 22 | 27.1.21 |
3 | Scoular Myanmar Co.,Ltd. | 魚肉加工 100% 外資 | ヤンゴン管区 キャッタン区 | 70 | 27.1.21 |
4 | Singha Myanmar Limited | ビール・清涼飲料 合弁 | マンダレー管区 Kyaukse 市 | 60 | 27.1.21 |
5 | Myanmar Tsuyatomo Co.,Ltd. | アパレル服地加工 合弁 | バゴー管区 バゴー市 | 36 | 27.1.21 |
6 | Wi Heita Co.,Ltd. | オフィス住宅兼用建物建設 100%国内資 | ヤンゴン管区 Sanchaung 区 | 30 | 27.1.21 |
7 | Letpanhta Solar Limited | 太陽光発電(40MW) IPP(BOO) 合弁 | マンダレー管区 Pyin Oo Lwin 市 | 216 | 27.1.21 |
8 | Taungswingyi Solar Power Co.,Ltd. | 太陽光発電(40MW) IPP(BOO) 合弁 | マグウェ管区 Taungdwingyi市 | 823 | 27.1.21 |
9 | Myanmar Ta Nyang Solar Co.,Ltd. | 太陽光発電(40MW) IPP(BOO) 合弁 | マグウェ管区 Minbu市 | 823 | 27.1.21 |
10 | Ohntaw Solar Power Co.,Ltd. | 太陽光発電(40MW) IPP(BOO)、合弁 | ザカイン管区 ザガイン市 | 823 | 27.1.21 |
11 | AG Asset Management Co.,Ltd. | 給油所 100% 外資 | マンダレー、ザガイン、マグウェ、タニンダ―リ、ラカイン等12カ所 | 1309 | 27.1.21 |
12 | Yai Nan Thuzar Trading | 貨物輸送ステーション 100%国内資 | 54 | 27.1.21 |
出所:ミャンマー投資委員会;8.2.21
22222デモの様子
2月22日、ミャンマーでは軍のクーデターに抗議して、全国的なデモがおきました。
ヤンゴンではスーパーマーケット、商店、市場の殆どが閉鎖されて、デモに参加しています。
これほどの規模の全国的なデモは、1988年8月8日以来です。
ヤンゴン市内のデモ
マンダレー市内のデモ
エーヤワディー管区パッテイン市のデモ
モン州モールメン市内のデモ
新サイバーセキュリティ法、多くの人が反対
国軍政府は2月8日、新サイバーセキュリティ法案を政府系メディアに発表しましたが、これに対しUMFCCI(ミャンマー商工会議所)を含む経済界、IT関連企業の他、多くの国民が反対の意見を表明しています。
米国とEUは2月15日、この法案は国際標準から逸脱しており、多くの規制があるので反対すると発表しています。
この法案の主要点は下記の通りです。
1. オンライン サービスに対する規制。ユーザー登録が必要になる。
2. インターネットの利用に登録が必要。Facebookなどの利用にも登録が必要になる。
3. Mytel Gateway(国軍出資の通信事業者)だけが海外へのアクセスが可能。
そのため、国軍はいつでも海外へのアクセスを止めることができる。
4. アクセスの規制のため、中国製のファイアウォールを設置し、ミャンマー人が
使用しているFacebook、Messageなどを管理する。
https://burmese.voanews.com/a/cyber-law-myanmar-draft-/5776891.html;13.2.21
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囚人の恩赦と自衛組織の拡大
国軍は2月12日、収監中の囚人23,314人を恩赦により釈放しました。2月13日の夜トラックに囚人達を載せて国内各地で解放しました。
囚人が解放された地域では、犯罪歴のある人たちがうろつくことについて、住民の間で不安が高まっており、心配で夜も寝られない状況になっています。
そのため、その地域では治安のため、住民たちの自衛の動きが出ています。各家庭から一名が出て、夜7時から朝4時頃まで警戒に当たることにしています。
囚人恩赦、住民不安の拡大、自衛団の組織化、これは1988年に起きたことと類似しています。
国内のデモの様子
ヤンゴン市内のデモ
学校の先生たちのデモ
マンダレー市内のデモ
シャン州のタウンチ市のデモ
ネピドー市内
軍人たち
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クーデター後の市内の様子 2021年2月8日
クーデターから3日後の2月4日から今日までヤンゴン、マンダレー、ネピドー等の多くの市でデモの動きが広がっています。今日月曜日、ヤンゴン市内の銀行は閉鎖しています。
デモには市民、学生、会社員、銀行員、病院の医療関係者、公務員等が参加しています。各地の病院は新規の患者の受け入れを中止しています。コロナ対応も拒否しています。
毎日、夜になるとプラスチックのボールやホーローびきのコップなどをただいて大きな音を流して国軍のクーデターに反対の意思を表しています。
この状況が後数日続くと国民の生活、特に貧しい人の生活が厳しくなります。また、コロナ患者が増加することが避けられないとみられています。
これ対し、国軍がどのように対応するかが注目されています。
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クーデター後のヤンゴン市内の様子
一ヤンゴン市民の見た現状:
2月1日朝、国軍クーデターを決行。国軍関連企業の通信事業者Mytelを除き、通信サービスはすべて遮断。夕刻になってサービス再開。
クーデター以前からコロナでステイホームが命ぜられ、工場、企業、店などの営業は制限されていたが、クーデターで更に閉鎖は広がっている。バス等の公共交通機関の運行も減少し、町中では人の動きも減少。
コロナ対策用のマスクを付けない人も増えており、人々の顔には恐れや絶望の色が濃くなっている。今回のクーデターで職を失う人が増え、賃金が減少すると嘆く人も多い。(IMFの統計によるとミャンマーではコロナで700万人以上が職を失ったとのこと。)
ミャンマー人のほとんどが使用しているFacebookも繋がりずらくなり、これを使用している通信販売とデリバリーサービスも停滞している。
これらの仕事は、コロナでも若い人の間で新産業として広がっていたが、今回のクーデターで通信制限が強化され、立ち行かなくなる恐れがある。
コロナのワクチンの接種の見通しも不透明になっている。
一言でいえば、ミャンマーは将来が見通せない状況になっている。
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ヤンゴン証券取引所、上場企業7社に
ヤンゴン証券取引所(Photo:Xinhua)
ヤンゴン証券取引所は2020年12月28日にAmata Holding Public Company Ltdの上場が決まり、上場企業は7社になりました。
2021年にはさらに2-3社増える可能性があります。ヤンゴン証券取引所は2015年12月9日に設立され、2016年3月25日から売買ができるようになっています。
ヤンゴン株式市場に上場されている企業
・ First Myanmar Investment Public Co.,Ltd.(FMI)
・ Myanmar Thilawa SEZ Holdings Public Co., Ltd. (MTSH)
・ Myanmar Citizens Bank Limited (MCB)
・ First Private Bank Limited (FPB)
・ TMH Telecom Public Co.,Ltd. (TMH)
・ Ever Flow River Group Public Co., Ltd. (EFR)
・ Amata Holding Public Company Ltd
出所;https://www.xinhuamyanmar.com/business/local/31170-2021-01-07-11-59-35;7.1.21
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マンダレー-チャオピュー鉄道建設、現地調査合意
ミャンマー運輸・通信省と中国のChina Railway Eryuan Engineering Group Co., Limited (CREEG) は2021年1月10日、中国・ミャンマー経済回廊「China-Myanmar Economic Corridor (CMEC)」の一部であるマンダレー-チャオピュー鉄道の建設について現地調査(Feasibility Study)を行うことに合意しました。
この鉄道はムセ市に繋がり、そこから中国の鉄道に繋がります。この鉄道により雲南省からインド洋に通ずることになります。
マンダレー-チャオピュー鉄道は総延長431キロで、マンダレー-ムセ間は379キロと合わせ合計810キロになります。
出所:https://burma.irrawaddy.com/news/2021/01/11/236262.html;11.1.21
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